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ドイツで "ワイン醸造家:Winzer" になりたい。

そんな思いを胸にドイツへ来たのははや4年も前の話。(2018年春現在)
動機は "いきさつ" に譲るとして、実際には何の具体的な情報も持たないまま、まずは大好きなフランケンワインの集積地であるヴュルツブルグへやってきた。そして色んな人と出会い、情報を得る中で、道筋が見えてきたのが渡独して2年後くらいだっただろうか。

その道筋の第一歩が、 "ワイン専門大学で醸造学を学ぶ" こと。


1.ドイツで言うワイン醸造家とは?
醸造家はドイツ語で "Winzer (ヴィンツァー)" という。日本ではあくまで農家の中の人がワインを作っているイメージだが、ドイツでは農家 "Bauer" と "Winzer" は少し位置づけが違っているように感じる。この辺りもワインの長い歴史がその地位を確立しているのか、はたまた専門職に対する意識が高いドイツだからなのか。。

ワイン醸造所でぶどう作り及びワイン醸造の責任を担うのが "Winzer" であり、"Kellermeister(ケラーマイスター)" と呼んだりすることもある。ただ、ワインの販売業者にも "Kellermeister" がいることが多く、その場合はソムリエの様な位置づけとなる。この辺りは若干曖昧な感じがしている。

ドイツのワイナリーの大部分は家族経営で、親から子へ引き継がれていくのが普通であり、若い醸造家もたくさん活躍している。仕事としての農業に対するイメージは、ドイツの方が日本よりも圧倒的に肯定的であり、将来的な見通しも日本より明るいように感じる。(日本の農業は高齢化が本当に深刻な状況なので。)

では、ドイツでワイン醸造家になるために何をすればいいのか。手段としてはざっくりこの3つ。
1) 大学でワイン醸造学 "Weinbau und Oenology" の学位を取得。その後、ワイナリー就職。
2) ワインのマイスター養成学校 (Meisterschule) で勉強。その後、ワイナリー就職。
3) ワイナリーで下働きから始めて、年月をかけて信頼を得て、その後責任者となる

3)はビザの問題から相当厳しいだろう。なぜなら、下働きは日本人でなくてもEU圏内の人でまかなえるため、あえて日本人に対して就労ビザはおりないと思う。

そうなると1)か2)。
そして、ヴュルツブルグのReiss醸造所で得た情報から鑑みると、マイスター学校への入学条件は多少過程が複雑。まずはBerufsschule(職業学校)を卒業し、さらにワイナリーでの2年間の Vorpraktikum(事前実習)が必要になるらしい。
一方、1)の大学進学についての入学条件はいくらか簡単。大学進学資格を持っていれば、半年間のVorpraktikum(事前実習)、ドイツ語能力で基本的にOK。
自分の経歴や年齢を考えると、3)の大学進学が一番の近道となる。


2.ワイン醸造学
ワインの醸造学はドイツ語で "Weinbau und Oenology" と言う。(細かく言うと、ブドウの栽培・生産学が "Weinbau" で醸造学は "Oenology" 。)

"Weinbau und Oenologie" が学部で学べる大学は、知っている限りでは3校。(他にもあるかも。。)
1) Geisenheim Hochshule;ガイゼンハイム大学
2) Hochschule Ludwigshafen am Rhein;ルードヴィクスハーフェン大学
3) Technische Hochschule Bingen;ビンゲン大学

同じ系統で、ワインの流通や経営を学べる学部もある。
4) Geisenheim Hochschule(ガイゼンハイム大学);"International Wine Business"学部(英語)、"Internationale Weinwirtschaft"学部
5) Hochschule Heirbronn(ハイルブロン大学);Internationales Weinmanagement学部

ドイツ語圏で言うと、スイスやオーストリアにも学べる大学があり、EU圏内の各学校は結構つながっているようである。

流通に興味が無いわけでも無いけど、自分でモノを生み出すことがとにかく好きなので、醸造学をしっかりとこのワイン文化の中で学んで感じていきたい。と言うことで、目指すは "Geisenheim Hochschule;ガイゼンハイム大学" で決定。

ちなみに、余談として、有名な話だがドイツは大学の授業料が基本的にゼロ。Geisenheim大学に関して言えば、授業で使う書籍なども基本的に無料。


3.Geisenheim Hochschule の入学条件
ドイツをはじめとしてヨーロッパの大学は基本的に冬(10月)に学期がスタートする。半年が1学期(Winter Semester, Sommer Semester;冬セメスターと夏セメスター)であり、Geisenheim大学の醸造学部(Bachelor;学士)は、6 Semester つまり3年。(海外実習などを行うと、3年半となることもある。)

入学に対する敷居は低く、入学試験などは無いため、条件を満たしていれば入学が可能である。(その分、卒業の壁は非常に高いらしい。その辺りは今後苦悩を書いていけるだろう。)

2018年 "Weinbau und Oenology:ワイン醸造学部" 入学条件はざっくりとこのような感じ。(最新情報や詳細は大学へ確認のほどを。)
1)大学入学資格:Abitur を所有。日本で言うならば、高校卒業もしくは大学検定。
2)ドイツ語 Goethe B2以上。(入学一年後までにC1取得必須。大学のドイツ語授業テストでOK。)
3)ワイナリーでの "Vorpraktikum:事前実習" 26週間以上
他の学部では実習期間が異なったり、英語が必修だったりする。("International Wine Business" 学部は英語での授業)
その他、パスポート期限や保険への加入、滞在費用の証明などは、語学学校のビザ申請(こちら参照)と似たようなものなので割愛。

1)大学入学資格
日本にいるときに工学部を卒業しているので、特に問題なし。参考までに、ドイツで有効となる各国の卒業資格を調べるサイトがこちら(anabin)。次の写真が日本を検索した結果。
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Hochschule入学条件として、日本の場合は "高校または学部の卒業"、と記載されている。

必要となるのは、高校・大学それぞれの卒業・成績証明証であり、もちろんドイツ語への翻訳が必要。
今回、認証翻訳(公的な翻訳)が出来る翻訳者へ依頼して、証書の作成を行った。ちなみに、認証翻訳者のリストはこちら(ドイツ大使館HP)を参照。

2)ドイツ語能力
語学学校や、Goethe Instituteなど能力試験結果に当たるが、注意点としては、2年以内の証明証であること。私の場合は、渡独後の語学学校でC1を取得していたが、3年前の話なので使えず。改めてGoethe-InstituteにてB2の資格を取得した。

3)半年間(26週間)の事前実習
これは、入学申請時に完了している必要は無く、入学(10月)までに完了していれば良い。私の場合は、2017年3月〜2018年8月の予定で現在進行中。(2018年5月時点)

これらの準備を行ったら、次の大学への願書提出である。書類審査のみなので、ここまでくればほぼ入学は確実。


4.大学への願書出願の流れ
多くのHochschuleの入学手続きに使われている "uni-assist" を通じて申請を行う。
(uni-assist の使い方は慣れるまで多少戸惑うので、別途説明予定。)

申請の流れとしてはこのような感じ。
1)大学へ進学希望のメール送付
2)uni-assist上で願書申請(必要書類のアップロード)
3)申請書類の郵送、申請費用の送金
4)審査後に通知受領

1)大学担当者へのコンタクト
大学の該当ページから受付担当者へ入学希望の旨を伝える。Geisenheim Hochschuleの場合は、International Officeが窓口となる。
その後、担当者から、uni-assist を用いて願書の申請を行うよう指示がある。

2)uni-assistでの申請
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uni-assist上で希望の学部選択して申請画面へ。一般的な個人情報、高校や大学の在籍期間などの入力後に、必要書類のアップロードを行う。

今回の申請でアップロードした書類は以下の通り。
・高校大学の卒業、成績証明証
・ドイツ語検定試験B2証書
・Vorpraktikum 労働契約書

アップロードが完了したら申請を完了させる。これで申請の第一段階は終了。

3)申請書類の郵送と申請費用の支払い
ネット上での申請が終了したら、書類をuni-assist事務所へ郵送する。
この時の注意点としては、書類は全て "役所のコピー:amtliche beglaubigte Kopie" を郵送すること。オリジナルの原紙は大学へ提出する必要があるため、手元に残しておく。

なお、amtliche beglaubigte Kopieは最寄りの市役所にて入手が可能。
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こちらが捺印例。なお、市によって形式は異なる。

並行して、申請費用の支払いへ。
Geisenheim Hochschuleの学部申請費用は75€。

4)審査結果の受領
申請、郵送及び振り込みが完了してから3〜4週間ほどで結果が届く。
書類に不備などがあればその旨が指示され、問題なければ受領完了通知(いわゆる仮合格?)となる。

その後、8月ごろから大学に正式書類を提出して、晴れて正式な学生となる予定。
学生証が手に入ったら、学生用の保険申請、貯蓄口座の作成、そして学生ビザの申請まで終わらせれば一安心となるだろうか。。。(追って更新予定)

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