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その2からの続きで、7月、8月(収穫前)のブドウ畑について。
今年はとにかく晴天が続き、6月に入ってからの成長はとにかくものすごく早く、多くの仕事が前倒しになり、とにかく忙しかった。そんなブドウ畑での仕事を少しご紹介。

1.果実の成長
とにかく順調そのもの。成長の過程を順に並べてみるとこんな感じ。開花直後にヒョウが降ったけど、その影響もなく、実の成り具合もとっても良い。
毎日見ているとそれほど成長を感じないけど、2か月でこれだけ様変わりするブドウ畑、働いていてもとっても楽しい。
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ちなみに、品種はリースリング。8月には35℃くらいまで上がる日も多く、水不足も予想されたが、概ね被害は無く、病気も少なくとっても良い生育具合。今年は収量も質も期待できそう。

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そして赤ワインやロゼ用のシュペートブルグンダー(フランス名 : ピノ・ノアール)。こちらも順調そのもの。


2.Heften:成長した枝の整理
これはとっても地味な作業。ぶどうを支える支柱以上に伸びた枝を、張ってあるワイヤー内に納めて、トラクターが通る通路を確保するために行う。また、ワイヤー内に入れておくことで強風が吹いた際の被害も少なくなる。
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様々な方向に伸びていく枝たちのせいで、通路はすぐにふさがってしまう。作業自体はとっても簡単だけど、すべてのブドウ畑をきちんと管理していくのはなかなか大変な作業。2枚目が整理後。
次の農薬散布でトラクターが通る前には行わなければいけない。さらにその後も成長は活発なため、都度必要となる作業である。


3.Spritzen:農薬散布
いくらBIOのワイン造りを行っているとはいえ、成長期の病原菌対策のためにも収量確保のためにも必ず必要となる農薬。
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割と古いタイプの散布機。農薬散布は効率を求めて技術革新も盛んで、ワイン機械の展示会などに行くと、たくさんのメーカーから実に様々な機械が展示されている。
今年は雨が少なかったため、頻度は少なめだったが、3週間に1度ほど、特に雨の前には散布しておかなければいけない。

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ぶどうが成長して葉が密集してくると、湿気が高くなりどうしても病原菌が活発になる。次の葉の間引きも併用しながら、病気対策が行われていく。


4.Entblättern:葉の間引き
ぶどうの成長と共に、幹に近いエリアは葉が密集してくる。そうなると、湿気が高まり病原菌の危険性が高まるため、葉の除去を行い、風通しを良くする作業が必要となる。
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成長してくると1枚目の様な状態に。そして作業後が2枚目写真。ぶどうの実が露わになっていることが見て取れる。ブドウの実は写真のように低いエリアに出来るので、その周辺をメインに風通しに注意して間引きする。

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この葉の間引きには病原菌対策以外にもいくつかの理由がある。ぶどうの味に深み(甘みと酸味のバランス)を与えるには直射日光も必要となるが、直射日光が強すぎると日焼けしてしまう。そのため、天気予報とブドウの成長を見ながら、葉の間引き量をコントロールすることが重要となる。
作業自体はとても簡単だけど、意外と理論と経験が必要となる作業でもある。

葉の間引きが味に与える影響も少なくないので、ワイナリー(ブドウ畑)ごとに葉の間引き方がまったく異なってくる。ブドウ畑を見ていて面白い所の一つ。


5.成長点カット
ぶどうの支柱以上に伸びてきたところで、枝の先端をカットする。これはしっかりと成長した枝の成長をとめて、栄養を他へまわすためである。
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これは手作業での作業結果(2枚目写真)。

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上の「葉の間引き」と「成長点カット」は機械で行われることも多く、Hamm醸造所でも一部使われている。
時間の節約にはなるが、機械が実を傷つけてしまう事もあるし、必要な枝をカットしてしまう事も多い。そこを嫌って、Hamm醸造所では出来る限り手作業で行っている。意味を理解しながら行う手作業から学ぶことは非常に多く、非常にありがたい仕事環境だなぁ、と感じる。


6.Ertragreduzieren : 実の間引き
これは、巨峰などの食用ブドウでも行われている作業なのである程度イメージしやすいだろう。ワイン用ブドウでも、実を間引いて、品質を求める場合がある。
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(1枚目作業前、2枚目作業後)少しわかりにくいが、若干ブドウが減っているのが見て取れる。一つの枝に対する実の数を減らすことで、残したブドウの品質が向上につながる。

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(1枚目作業前、2枚目作業後)同じく、実の量を減らした例。
実がどんどん大きくなる中で、房が余りに密集しすぎているとその後の成長が鈍り、かつ病気が発生しやすくなる。そういった房を構わず落としていく。

Hamm醸造所では、こういった作業を行うのは格式の高い畑(Erste Gewächse, GG )のみ。この辺りは、各ワイナリーの性格が表れるおもしろいトコロでもある。


7.収穫前チェック
収穫タイミングを計るための作業。2018年の場合は8月末ごろに行われた。
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ぶどうの品質を決める”甘み”と”酸味”をチェックする作業。各ブドウ畑ごとにぶどうの粒をランダムに集めて、その果汁を測定していく。2枚目写真は酸味測定液と糖度計。
と共に、各ブドウ畑の状況(病気の発生率や生育具合など)も確認し、最終的には自身で食べてみて味や種の生育具合などから判断する。

ちなみに今年は9月第2週くらいからの収穫になりそうである。

"その4(収穫と発酵)" ではいよいよ収穫へ!!


「ワイン実習 2018」
ワイナリー実習2018 その1 ; ブドウ畑の準備
ワイナリー実習2018 その2 ; ぶどうの開花
ワイナリー実習2018 その4 ; 収穫と発酵