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2018年のブドウ成長記録。(2019年との比較のために振り返りながら編集したもの。)基本的にHamm醸造所(Weingut Hamm ; Rheingau Oestrich-Winkel)のリースリング観察結果。(定点観察ではないので成長(写真)と日付の関係性はやや曖昧。)

2019年の様子はこちら。

2020年の様子はこちら。


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以下記事内に登場するBBCHコードとは
ドイツでは、ブドウの樹の成長を表すコード番号があり、それによって管理されることが多い。(実際の実務で使われるわけでは無い。))
BBCHとは、"die Biologische Bundesanstalt, Bundessortenamt und CHemische Industrie" の略。
BBCH Nr

以下で表記しているコード番号は個人的に勝手に判断してつけているので、ドイツの機関が発表している期日と異なっている。

2018年 Rheingau:ラインガウ の天候データ

2018年、ガイゼンハイムの天候、"発芽"、"開花"、"成熟期"、"収穫期"の公式データ。年間を通して平均気温(線グラフ)が高く、6月中旬〜12月まで雨量(棒グラフ)が少なかったことがわかる。これらの天候が影響して、発芽が平均より10日ほど早く、開花〜収穫までは1か月ほど早まっている(過去最も早かった)。

ドイツの天候データバンク
ブドウの成長に大事な天気のデータはこちら(Wetter Kontor)

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1月22日 「Eisweinlese:アイスワインの収穫」
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アイスワインとは食前酒の様な非常に甘いワイン。ブドウを凍った状態で収穫し(外気温が-10℃以下くらい)、さらに凍った状態のまま圧搾することで、とても甘い果汁のみを取り出すことができる。その果汁を使って作るスペシャルなワイン。甘みと共にとてもフルーティでめちゃくちゃ美味しい一品。
今年(18-19シーズン)はなかなか寒くなる日が無く、だいぶブドウ自体も傷んでしまっていたが、取り出した果汁のクオリティはまずまず。どんな美味しいワインになるだろうか。。楽しみ!
これで、すべてのブドウの収穫が終了。冬はブドウの樹を休ませて、2月ごろから剪定をはじめ、3月後半からまたブドウ畑の仕事が本格化していく。
そんなサイクルで何世代も代々続いてきたHamm醸造所、もっとその歴史に触れながら経験を積んでいこうと思う。

9月10日から1か月半ほど 「Weinlese:収穫」
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そしていよいよ収穫!このために1年間働いてきたと言っても過言ではないワイナリーの人たち。自然と最初はお祭り状態!ブドウをつまみながらせっせと手で収穫。一部の畑では機械での収穫も行うが、Hamm醸造所の場合は小さいということもあるけど、7割方は手で収穫。ほぼ毎日収穫を行うが、収穫後少なくとも次の日までには圧搾機にかけて酵母を加えてタンクへ保管するところまでやらないといけないので、作業者は2班に分けて夜まで大忙し!!(その後、常に管理をしながらざっくり3か月くらいでワインとして飲める状態に。)

8月26日 「BBCH89:Vollreife der Beeren(完熟)」
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収穫直前。完熟を迎えると、"Vorlese:試し採り" を行い、味見と糖度・酸の測定、さらには完熟度をみるために、種の色を確認する。糖度が80 Ochsle(オクスレ)を越えて種も黒くなってくると収穫OKサイン!(収穫の基準はワイナリーによって様々。) ちなみに、もうめちゃくちゃ甘い。4枚目はSpätburgunder(ピノノワール)で、リースリングより遅くに収穫となる。

8月19日 「BBCH85:Weichwerden der Beeren(果実が次第にやわらかく)」
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透き通った黄色になっていき、太陽の光を通すようになっていく。これがまためちゃくちゃ美しい!

7月31日 「BBCH81:Beginn der Reife(成熟期の開始)」
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ブドウの成熟が始まり、少しずつ明るく黄色がかった色に変わっていく。それと共に粒は柔らかくなっていく。この時期だと甘みは無くまだまだすっぱい。

7月15日 「BBCH79:Ende des Traubenschlusses(果実成長期の終了)」
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果実の粒が随分と込み入って、実もまだまだ硬いので詰まった房はカチカチ。そういった房は病気になりやすい。そのため、上級のブドウ畑では硬すぎる房は切り落として比較的 "ゆるい" 房を残す。そうすることで高いクオリティのブドウに育てていく。

6月27日 「BBCH77:Beginn des Traubenschlusses(果実成長期の終了間際)」
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だいぶ果実が大きくなり、果実の成長も最終段階。あと2〜3週間くらいたつと成熟期に移るだろう。5月中旬から雨がほとんど降っていないため、水分不足の懸念も話題に上がっている。過去これほど平均気温が高くて雨が少なかったことが無いため、味にどう影響していくのか、誰もわからない、と言うのが現実。ちなみに、ブドウの樹は根が10m以上も深く伸びていくため、若い樹以外は水不足の心配は基本的にはしなくてもよい。

6月20日 「BBCH75:Beeren sind erbsengroβ(粒の大きさがエンドウ豆大)」
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ブドウの粒がエンドウ豆くらいの大きさにまで成長。もちろんまだまだ硬いけど、、すっかりぶどうっぽい!この後、粒同士がくっついてくると湿気が逃げにくくなり、果実が病気になりやすくなる。そのため、この時期の農薬散布がとても重要。Hamm醸造所はBIOワイナリーなので農薬ももちろんBIOのもの。

6月10日 「BBCH73:Beeren sind schrotkorngroβ(粒の大きさが穀物大)」
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ジワジワとブドウの房が目立つようになってきた。綺麗な緑色をしたブドウの粒。なんだかエネルギーをもらえている気分になる。

6月6日 「BBCH71:Fruchtknoten beginnen sich zu vergröβern(果実の成長開始)」
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少しずつブドウの形になっていっている。天候も安定していて暖かく、成長はとても順調。

5月27日 「BBCH68:Abgehende Blüte(80%が開花)」
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ほぼすべての畑で開花が確認され、川沿いの畑では写真の様にほぼ満開状態。
ちなみに、ブドウの花は花びらが無いのでとっても質素な姿。リースリングなどの一般的なワイン用ブドウの花は受粉は自分で行うので特に受粉を促してやる必要はない。

5月24日 「Hagel(ひょうによる被害)」
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一部のブドウ畑で雹が降り、まだ若い枝や開花後の花にも被害が発生。雹のエリアが少なかったことと、まだ開花前のつぼみも多かったため、それほどひどい被害にはならないだろう、とのこと。2017年にも5月に強い雹が降り、あるエリアのブドウ畑の収穫量が半減したんだとか。。

5月23日 「BBCH61:Beginn der Blüte(10%が開花、開花開始)」
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開花。まだ畑によっては咲いてないところも多いが、ライン川沿いの暖かいエリアではチラホラと開花が確認される。この1週間ほどで、一気に開花が進んでいくだろう。しっかし2018年は異常な早さ。例年より1か月くらい早い、とのこと。開花から100日が収穫開始の目安なので、もしかすると8月上旬から収穫の声が聞こえてくるかもしれない。どうなることやら。。

5月20日 「BBCH53:"Gescheine" deutlich sichtbar(しっかりとしたつぼみ)」
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まだつぼみは硬いが、この後つぼみが広がり花が咲く準備に入っていく。

5月18日 「BBCH19:9 oder mehr Blätter entfaltet(9枚以上の葉)」
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順調に成長が進み、併せてつぼみも次第に大きくなっている。

5月3日 「BBCH16:6 Blätter entfaltet(6枚の葉)」
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発芽から2週間ほどで、ここまで成長。雨も適度に降り晴天の日も多かったこともあり、成長もとても順調。

4月26日 「BBCH15:5 Blätter entfaltet(5枚の葉)」
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葉がどんどん成長し、ブドウ畑を見渡すと新緑が点在。その景色は本当に美しい。

4月23日 「BBCH13:3 Blätter entfaltet(3枚の葉)」
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発芽からの成長スピードはとても早くて、毎日成長を感じることができる。

4月20日 「BBCH11:Erstes Blatt entfaltet und vom Trieb abgespreizt(発芽)」
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平均よりも10日ほど早い "発芽:Austrieb"。

4月19日 「BBCH09:Knospenaufbruch(新芽が開く)」
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緑の葉が顔を出し、発芽直前(もう発芽なのかな…)。ブドウの樹はまだまだ寂しいけど、下草はどんどん花を開き、にぎやかになっていく。

4月17日 「BBCH05:Wolle Stadium(新芽に産毛が付き始める)」
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新芽の膨らみも大きくなり、ふわふわの産毛が目立ち始める。下草として植えている菜の花が咲きとても美しい。4枚目は、ブドウの樹の下を耕して下草を掘り起こしている様子。

4月6日 「BBCH01:Beginn des Knospenschwellens(新芽の成長開始)」
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冬はそれほど寒く無かったものの、3月末や4月頭に雪が降った2018年初春。少しずつ新芽が膨らみ始めて少しずつ春を感じるこの頃。下草も伸び初め花もチラホラ。ブドウの樹の中にエネルギーがみなぎってきているんだろうなぁ。


ブドウ畑の作業についてはこちら