2024年、ワイナリーオープンに向けて次の1歩を踏み出します。
2023年末でお世話になっていたdomaine tetta (岡山県新見市)を退社し、晴れてフリーとなりました。
2024年は、すでに契約の決まっている田んぼを、畑に変えるところから着手し、ぶどう農家としてスタートしていきます。
すでに2023年に農地を決定するところまで進んでいるので、そこまでの経緯を簡単にご紹介。
(なお、各市町村によって担当部署やシステムが異なるので、あくまで総社市の場合の話。)
1.2022年夏 総社市役所農林課・都市開発課へ相談
住みやすい総社市を夫婦で大変気に入ったこともあり、ここでワイナリーを立ち上げたい、と思うようになった。
なるべく中心地に近いエリアにワイナリー併設の住居を持ち、そばにぶどう畑が広がる、そんな景色を妄想していた。
そして、ある程度の希望エリアを決めて、市役所の農林課へ話を聞きに行ったのである。
そこで教えてもらったのが「都市計画区域」と言う大きな壁。
詳しくはこちら(国土交通省のサイト)を参考にしてもらいたいのだが、「都市計画区域」に工場や家を建てようとすると、様々な条件をクリアしていかないといけなくなり、なかなか希望通りに、とはいかないのである。
「都市計画区域」には、「市街化区域」と「市街化調整区域」があり、建物や工場が多く立ち並んでいる街中はだいたい「市街化区域」であり、街からほど近い田園風景が広がるエリアは「市街化調整区域」となっていることが多い。
「市街化調整区域」とは何かと言うと、街が勝手に広がっていかない様に、建物が制限されている区域のことである。ここがポイントとなる。
元々 "街にほど近い場所" を想定していたので、どの候補地も「市街化調整区域」であり、新規で醸造所(工場)を建てたり改築したりすることがたいへん難しいエリアになってしまっていたのである。
そこで、"都市計画区域外" のエリアで農地を探していくこととなった。
2.2022年秋〜冬 農地探し
総社市に住んでいて、耕作放棄地がたくさんあることを目の当たりにしていたため、市役所や農協に聞けばすぐに希望の場所の農地が見つかると軽く考えていた。
が、実際には、甘い考えだったことを思い知らされることになる。
まず、どうやって農地の情報を手に入れるか。
総社市の場合は市役所農林課で各地区の農業委員の方々を教えて頂けるので、その方々に連絡を取ることから始める。
農地の希望は、ある程度の広さ(できれば1.5ha)がまとまって借りれること。
小さな畑を色んな地区に持つと、それぞれの地区に所属する必要があり、人付き合いや行事だけでなく、ため池・法面の草刈りや掃除など頻繁に出席しなくてはならない。そのため、できるだけ1か所に畑を持ち、できればその地区に住みたい、と考えたわけである。
話を聞いてみると、耕作されていないまとまった広い田畑はない、とのこと。小さな区画の農地であれば、少しはあるようであるが。結局のところ、耕作放棄地になっていても市役所へ登録されていない土地が非常に多く、中には持ち主と連絡がつかないことも珍しくない、とのこと。
市役所経由で無いとなるとどうしたらいいものか、、少し途方に暮れてしまった。
しかしながら、程なくして、総社市美袋でまとまった土地の借り手を探している、との話を頂いたのである。しかも話を頂いた農地のエリアは "都市計画区域外" 。これは良いかもしれない。。
3.2023年初春 現地視察
すぐに現地の農業委員の方へ連絡を取ってもらい、農地を見せてもらいに行くことに。
当日、現地では地区の方々が出迎えてくれて、色々な話をさせてもらうことが出来た。私のためにまとまった区画を開けてくれる、とか、どこどこの空き家に住めばよい、とかとか。。しかも、ぶどう栽培・ワイナリー立上げの話も興味をもって聞いてもらえて、とんとん拍子に話が進んでいった。
純粋に後継者問題というところもあると思うが、皆さんの暖かさを昨日のように思い出す。
農地は、南東向きの斜面であり、午前中にしっかりと陽があたるのでぶどうには最適な場所。山と川に挟まれているため風の通りも良い。川沿いなので砂地で、私がワインを学んだドイツのラインガウ地方にも環境が似ていると感じた。
こちらがドイツラインガウの様子。ライン川沿いの南向き斜面に広がるぶどう畑は圧巻の一言。
畑の規模は全く違うけど、今回紹介してもらった農地でドイツ流のワイン造りが出来たら面白いことになる予感がする。
その後の少しの検討の結果、直感を信じてこの農地を借りることを決めた。
決まる時はあっという間である。。
4.田んぼを畑へ変えるには
田んぼを果樹用の畑に変えるには、土中の水はけをいかに良くするかが一番のポイント。つまり溝を掘って暗渠(あんきょ)排水が必要となる。
これが実際の降雨後の畑の様子。水がかなり溜まっている。周りの田んぼに水が入る時期には水が染み出てくるだろうし、土中は水分過多になることは間違いない。これではぶどうの苗木を植えても枯れてしまうだろう。暗渠排水が絶対に必要となる田んぼである。
暗渠排水のための溝をどう配置してどう施行していくか、疎水材をどうするのかなどなどを検討して2024年冬から初春にかけて作業を進めていく予定である。
さらには、ボーリング調査も行い、場合によっては植樹するエリアの表層部の土壌(粘土層)を入れ替える必要性もあると考えている。先々の事を考えても、このタイミングでしっかりと検討して実施しておくべきことなので、色々な情報を集めて進めていきたい。
今後の課題はたくさんあれど、一番最初の難関である農地選びが予想外にスムーズに進んだので一安心。2024年はこの勢いでどんどん進めていくぞ!!
2023年末でお世話になっていたdomaine tetta (岡山県新見市)を退社し、晴れてフリーとなりました。
2024年は、すでに契約の決まっている田んぼを、畑に変えるところから着手し、ぶどう農家としてスタートしていきます。
すでに2023年に農地を決定するところまで進んでいるので、そこまでの経緯を簡単にご紹介。
(なお、各市町村によって担当部署やシステムが異なるので、あくまで総社市の場合の話。)
1.2022年夏 総社市役所農林課・都市開発課へ相談
住みやすい総社市を夫婦で大変気に入ったこともあり、ここでワイナリーを立ち上げたい、と思うようになった。
なるべく中心地に近いエリアにワイナリー併設の住居を持ち、そばにぶどう畑が広がる、そんな景色を妄想していた。
そして、ある程度の希望エリアを決めて、市役所の農林課へ話を聞きに行ったのである。
そこで教えてもらったのが「都市計画区域」と言う大きな壁。
詳しくはこちら(国土交通省のサイト)を参考にしてもらいたいのだが、「都市計画区域」に工場や家を建てようとすると、様々な条件をクリアしていかないといけなくなり、なかなか希望通りに、とはいかないのである。
「都市計画区域」には、「市街化区域」と「市街化調整区域」があり、建物や工場が多く立ち並んでいる街中はだいたい「市街化区域」であり、街からほど近い田園風景が広がるエリアは「市街化調整区域」となっていることが多い。
「市街化調整区域」とは何かと言うと、街が勝手に広がっていかない様に、建物が制限されている区域のことである。ここがポイントとなる。
元々 "街にほど近い場所" を想定していたので、どの候補地も「市街化調整区域」であり、新規で醸造所(工場)を建てたり改築したりすることがたいへん難しいエリアになってしまっていたのである。
そこで、"都市計画区域外" のエリアで農地を探していくこととなった。
2.2022年秋〜冬 農地探し
総社市に住んでいて、耕作放棄地がたくさんあることを目の当たりにしていたため、市役所や農協に聞けばすぐに希望の場所の農地が見つかると軽く考えていた。
が、実際には、甘い考えだったことを思い知らされることになる。
まず、どうやって農地の情報を手に入れるか。
総社市の場合は市役所農林課で各地区の農業委員の方々を教えて頂けるので、その方々に連絡を取ることから始める。
農地の希望は、ある程度の広さ(できれば1.5ha)がまとまって借りれること。
小さな畑を色んな地区に持つと、それぞれの地区に所属する必要があり、人付き合いや行事だけでなく、ため池・法面の草刈りや掃除など頻繁に出席しなくてはならない。そのため、できるだけ1か所に畑を持ち、できればその地区に住みたい、と考えたわけである。
話を聞いてみると、耕作されていないまとまった広い田畑はない、とのこと。小さな区画の農地であれば、少しはあるようであるが。結局のところ、耕作放棄地になっていても市役所へ登録されていない土地が非常に多く、中には持ち主と連絡がつかないことも珍しくない、とのこと。
市役所経由で無いとなるとどうしたらいいものか、、少し途方に暮れてしまった。
しかしながら、程なくして、総社市美袋でまとまった土地の借り手を探している、との話を頂いたのである。しかも話を頂いた農地のエリアは "都市計画区域外" 。これは良いかもしれない。。
3.2023年初春 現地視察
すぐに現地の農業委員の方へ連絡を取ってもらい、農地を見せてもらいに行くことに。
当日、現地では地区の方々が出迎えてくれて、色々な話をさせてもらうことが出来た。私のためにまとまった区画を開けてくれる、とか、どこどこの空き家に住めばよい、とかとか。。しかも、ぶどう栽培・ワイナリー立上げの話も興味をもって聞いてもらえて、とんとん拍子に話が進んでいった。
純粋に後継者問題というところもあると思うが、皆さんの暖かさを昨日のように思い出す。
農地は、南東向きの斜面であり、午前中にしっかりと陽があたるのでぶどうには最適な場所。山と川に挟まれているため風の通りも良い。川沿いなので砂地で、私がワインを学んだドイツのラインガウ地方にも環境が似ていると感じた。
こちらがドイツラインガウの様子。ライン川沿いの南向き斜面に広がるぶどう畑は圧巻の一言。
畑の規模は全く違うけど、今回紹介してもらった農地でドイツ流のワイン造りが出来たら面白いことになる予感がする。
その後の少しの検討の結果、直感を信じてこの農地を借りることを決めた。
決まる時はあっという間である。。
4.田んぼを畑へ変えるには
田んぼを果樹用の畑に変えるには、土中の水はけをいかに良くするかが一番のポイント。つまり溝を掘って暗渠(あんきょ)排水が必要となる。
これが実際の降雨後の畑の様子。水がかなり溜まっている。周りの田んぼに水が入る時期には水が染み出てくるだろうし、土中は水分過多になることは間違いない。これではぶどうの苗木を植えても枯れてしまうだろう。暗渠排水が絶対に必要となる田んぼである。
暗渠排水のための溝をどう配置してどう施行していくか、疎水材をどうするのかなどなどを検討して2024年冬から初春にかけて作業を進めていく予定である。
さらには、ボーリング調査も行い、場合によっては植樹するエリアの表層部の土壌(粘土層)を入れ替える必要性もあると考えている。先々の事を考えても、このタイミングでしっかりと検討して実施しておくべきことなので、色々な情報を集めて進めていきたい。
今後の課題はたくさんあれど、一番最初の難関である農地選びが予想外にスムーズに進んだので一安心。2024年はこの勢いでどんどん進めていくぞ!!





コメント
コメント一覧 (2)
ワイナリー開設へ向けての大きな一歩ですね。何より地元の方の理解が心強い!ぜひ将来は地区をあげてドイツワイン文化の発信地にもなって欲しいです。いつでもワインが楽しめる総社の「つぐみ横町」などできればいいなと夢想しています…
いつもコメント有難うございます!ようやく、といった感じですが、これからが勝負なので、適度に無理しつつ楽しんでやっていきたいと思います。
色々な方々が興味を持ってくれているので、しっかりとプレゼンして盛り上げていきたいと思います。
形になるまでまだまだ時間がかかりますけど、楽しみにしていて下さい!!