まだまだ田んぼの改植が続いており、ブドウも植えていない状況ではありますが、、
最近、総社市役所の方、吉備信用金庫が主催するSスタの”異業種交流会”、さらには地元のぶどう生産者組合の方々との交流の中で、自己紹介を兼ねたプレゼンを行う機会が増えてきました。
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こういった機会は大変ありがたく、頭の中のイメージを整理するいい機会になります。

そこで、ブログでも現時点(2024年8月)での理想のワイナリー像を語っておこうと思います。
(言葉にすれば実現できる、とも言いますし。。)


1.ワイナリーの名前
「総社タケヴァイン:takewein」

タケ:自分の苗字から
ヴァイン:ドイツ語でワインの意味 "Wein"

下のコンセプトでも書きますが、ドイツでの経験を活かしたワイナリーとなるので、ドイツ語を取り入れた名前にしました。ドイツではワイナリーの事を "Weingut ヴァイングート" と言いますが、さすがにそれだとドイツ語が分からない人には伝わらないため、ワインであることがなんとか伝わるであろう "Wein:ヴァイン" としたわけです。


2.ロゴ
Takewein Okayama Soja ロゴタケヴァイン ロゴ 02

なんのことかわからないイラストだと思いますが、、、奥さんの実家で飼っていた大型のインコのくちばしです。。
コンちゃん

ワインとは関係ないのですが、、個人的に思い入れがあるので、ワインのラベルにもインコやオウムを採用していこうと思っています。


3.コンセプト
ブログのタイトル通り「ドイツのワイン文化を総社へ」です。

1)私のワインにまつわる経歴
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大学生時代の卒業旅行でドイツを周り、フランケン地方で飲んだフランケンワインに感動してドイツワインにはまりました。
その後、10年程自動車エンジニアとして働いていましたが、人生の転機があり第二の人生を考えることになりました。

いつかは農業をやりたいと思っていた思いと、卒業旅行でのフランケンワインの感動がつながり、ドイツでワインを学ぼうと思い立ちました。(2014年に渡独)
その後は、語学学校や寿司職人(なぜ?)を経て、ラインガウ地方にあるワイン専門の大学 ”ガイゼンハイム大 醸造学科” へ入学。近くのBIOワイナリーでも働くことが出来ました。
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その後、コロナ禍で実習がすべて無くなったことをきっかけに休学し、ワイナリーの仕事をメインで生活していましたが、コロナ収束が見込めないことから大学をそのまま中退して帰国しました。(ドイツ生活は約8年)

日本帰国後は、新見市のDomaine tettaで3シーズン働き、自然派に近いワイン醸造の知見を得ることが出来ました。
そして総社市で生活する中で街がとても好きになり、ここでワイナリーを立ち上げてみたいと思うようになっていきました。

その後独立を決心し、2023年末でDomaine tettaを辞め、現在に至ります。

2)ドイツのように気軽に飲めるワイン
造りたいワインは、ドイツ流の日本ワインです。もっと言うと、テーブルワインです。

ドイツワインと言うと、フルーティな白ワインが有名です。
ドイツのワイン産地では、ワインを水の様に昼から飲みます。家族で散歩している途中にワイナリーに寄り、ワインに氷を入れて飲んだり、ワインを炭酸で割って飲んだり、、、普段の生活にとても近いところにあるので、とっても気軽に飲むことが出来ます。
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甘くてとっても美味しい発酵途中のワイン "フェーダーヴァイザー" も秋の味覚として地元の方に愛されています。
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こんな記事も書いてます。興味のある方はどうぞ。



私自身が生活の中で経験し、感動したドイツ的なワインの楽しみ方を少しでも味わってもらえるワイナリーにしたいのです。

3)総社市の天候に合ったぶどう品種
品種は岡山の気候に合ったものを選ぶ予定です。
ドイツではリースリングやミュラートゥルガウ、ジルヴァーナ(ジルヴァネール)などなど有名な白ブドウの品種がありますが、温暖な岡山では栽培に向いていません。出来るだけ農薬を抑えた栽培がしたいので、気候が合わない品種は却下となります。そこで、地中海気候で植えられている品種を、と考えているところです。
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ドイツとはブドウの品種は違いますが、ワイン造りをドイツ流にすることで、ドイツの風を感じるワインに仕立てたいと思っています。さらには、食事やお菓子とのマリアージュなど様々なドイツ流のワインの楽しみ方を提案していきたいと思っています。

4)ブドウ栽培やワイン造りが経験できる
ブドウ畑での作業やワイン醸造をみなさんにも知ってもらいたいため、収穫祭をはじめとするイベントを開催したいと思っています。
イベント外でも来て頂いて畑や醸造所を見学できるようにしたいですし、それにより安全・安心を感じてもらいたいです。
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また、苗木のオーナー制度やクラウドファンディングも活用していく予定で、より身近にタケヴァイン流のワイン造りを感じてもらえたら最高だなと思っているところです。

予定では、2026年春、2027年春の植樹において、苗木オーナー制を導入予定です。さらには植樹祭も開催したいと考えています。タイミングが来ましたら発表させてもらいます。

5)コンセプトまとめ
・総社の気候に合った品種を使用したドイツ流のワイン造り
・価格を抑え、気軽に飲める美味しいテーブルワイン。
・ドイツ的なワインの楽しみ方をお客様に提案する。(イベント開催など)
・地元の方々に親しまれるワイナリー。
・造りが見えることで安全・安心をお客様へ


4.スケジュール
まだまだ歩み出したばかりで、妄想の域を脱しませんが。。

1)2031年、自社醸造スタート
2025年から3年かけてぶどうの植樹を行っていきます。
2028年から少しずつブドウが採れ始め、最初は他のワイナリーに委託して醸造してもらいます。
その後、収穫量がまとまってくる2030年までに自社醸造所を立上げ、2031年から自社ワインの販売が開始できる予定としています。

タケヴァインのワインは、2029年から少しずつ販売され、自社醸造ワインは2031年からの販売スタートとなります。

結構時間のかかる話なのです。。

2)課題1:果実酒醸造免許の取得
ワインを造るためには、果実酒醸造免許が必須です。その取得のために6000L以上の生産が必要となります。ブドウの収穫量で言うと10トンくらいになります。
イメージがわかないとは思いますが。。ワイン用のブドウはざっくり1房250gくらいですので、40,000房です。。これまたイメージわかないですね。。。要は相当な量のブドウが必要となるわけです。
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ブドウは樹が成長して安定した収量が採れ始めるまで、5〜7年くらい必要です。そのタイミングが2030年だと、と考えています。(ワインになるのに1年かかるので2031年から自社醸造ワイン販売開始。)

3)課題2:醸造設備、醸造所の立上げ資金
物理的な課題として最も大きいのがここです。
市役所や商工会、金融公庫など、色々と話を聞いているところですが、利用できそうな補助金を申請したり、融資をお願いすることになると思います。
設備費もどんどん高くなってきているので、中古でも可能な設備に関しては、さまざまな観点から検討を行い、初期投資を抑えるための努力をしていきます。
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お手頃な美味しいテーブルワインの実現を目指して。


5.岡山 総社の気候と土壌
1)ワイン用ブドウ栽培には雨が少ない方が良い
ワイン用ブドウと生食用ブドウを比較すると、栽培面で異なる事の1つが栽培に必要な水の量です。
生食用ぶどうは粒はなるべく大きくしたい、みずみずしくしたいわけですが、ワイン用ブドウは出来るだけ小さい方が良いのです。

酸味が少なく甘さを求めるみずみずしい生食用ブドウは、ワインにしにくいのが本音です。日本では、生食ブドウをワインに仕立てているワイナリーが数多くあります。実際に本当に美味しいワインもありますが、結構な割合で薄さを感じてしまいます。それを「薄うまワイン」と言っているようですが。。。

ワインは、酸味・渋味、複雑味が重要なため、品種はもちろんですが皮や種も重要です。実の水分はできるだけ少ない方が、果汁は濃くなり、さらに果皮や種が占める割合が高くなるので、それがワインの味わいに良い形で反映されてくるわけです。

2)岡山県総社市は天候として最適!?
さて、ここ岡山県は「晴れの国おかやま」と言う程、降水量は少ない地域です。その中でも南部の総社市、倉敷市、岡山市北区の辺りは日照時間も長くブドウ栽培に適していると言えます。実際に100年以上前からマスカットなどの生食用ぶどうの栽培が盛んに行われてきました。気候条件としては、ワイン用ブドウ栽培にとても適した場所だと言えます。

3)川沿いであることのメリット
さらに細かく見てみると、、(「microclimate:微小気候」と言います。)
借りている畑は高梁川沿いの斜面(田なので、耕作する場所はフラットですが。。)になり、背後は小高い山になっています。
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海外の有名なワイン生産地は川沿いに位置していることが多いわけですが、これには理由があります。
川と山の間には、気温差が生まれるために自然と風が発生します。ブドウが風が吹かれることで水分を好む病原菌が発生しにくくなり、結果、農薬の使用量を抑えることも可能となります。さらに、気温の変化も大きくなるので、寒暖差による色付きの促進も行われます。そしてもう一つ、条件が整えば、キリによって貴腐菌が広がることも考えられます。

4)貴腐ワインも作れちゃうかも!?
貴腐菌とは、一般的に見られる灰色カビ菌のことなのですが、良い条件でこのカビ菌が発生した場合、ワイン用ブドウにとってとても面白い現象を生みだします。
ドイツに「貴腐ワイン:Trockenbeerenauslese (TBA)」と言うものがあります。これはカビがブドウの粒に付くことによって、水分だけが飛んでシワシワ(レーズン状)になるわけです。こういったブドウを貴腐ブドウと呼び、このブドウから高級極甘ワイン「貴腐ワイン」が作られます。「ドイツワインと言えば甘口」と考えてらっしゃる方も多いですが、理由はこの貴腐ワインが有名だから、とも言えます。

参考までに、ドイツで経験した貴腐ワインの仕込みをこちらで一部紹介しています。


総社のこの畑では、どのようにカビが発生するかはわかりかねますが、良い条件が揃う年には、貴腐ブドウを使ったワインも作れるかもしれません。

5)土壌
総社市の高梁川沿いは主に真砂土の土壌が広がっている地区です。
いずれ畑のボーリングを行って、土中の構造を見てみる予定ですが、周囲の様子から見ても水はけは良いので、真砂土がメインの土壌になっているのでは、と考えています。

ドイツのラインガウ地方もライン川沿いで砂地が広がっていたため、環境としては似ているのかな、と期待しています。


6.作りたいワイン
ワインの造り方については、ドイツのビオワインに出来るだけ近づけたいと思っています。ビオワイン用酵母を使用し、ろ過も行い、透明でスッキリしたワインを飲んでもらいたいです。

1)白ワインがメイン
目標とするワインは、私が働いていた ”Weingut Hamm:ハム ワイナリー" のワイン。


Hammのワインは、白ワイン、赤ワイン共にとにかくフルーティで飲みやすくてすっきりしているのが特徴です。特に白ワインはハチミツ感があって、前菜(チーズやプレッツェル、サラダ、生ハムなど)や魚料理、薄味で焼いたお肉などとも相性が良いのが特徴で、砂糖やみりんを使う日本食にもとても合います。
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タケヴァインでは、白ワイン:赤ワインが8:2くらいで作りたいと思っています。辛口だけでは無く、多少甘さを残して仕立てるなど、同じ品種でも複数の味わいが楽しめるようにしたいと思っています。

2)ブランドノアールを一つの柱に
さらに、黒ブドウ品種であるピノノアールで造られたブランドノアール:Blanc de Noirが素晴らしく美味しいのです。
ブランドノアールとは、黒ぶどうを使って白ワインを作る手法の事。わかりやすく言うと、すこーーしピンクがかった白ワインです。(ロゼよりもっと薄いピンク。)
黒ブドウ(赤ワインの品種)は渋みが強いものが多いですが、ブランドノアールに仕立てることで、渋みを抑えることが出来、適度な複雑味がありつつすっきりと飲めるワインとなるわけです。

タケヴァインでもブランドノアールは絶対に造りたいワインの1つであり、ドイツとは異なる品種で造るブランドノアールがどういった味わいになるのかが今から楽しみです。

3)ゼクトや微発泡も!?
ドイツの泡と言えばゼクト(シャンパンと同じ造りで瓶内2次発酵)。
Hammワイナリーのブランドノアールで造ったゼクトがとても美味しいので、タケヴァインでもゼクトの製造方法でのワインにチャレンジする予定です。

さらには、新見市のDomaine tettaで経験した少し気圧の低い微発泡のペティヤンやペルランなども気楽に飲めるワインとしてあっても良いのかな、とも考えているトコロです。
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4)Hamm のワインも飲める!?
目標とするワインであるからこそ、定期的に飲んでチェックしておきたいHammワイナリーのワイン。
現在の個人用として定期的に送ってもらっていますが、、いずれは量を増やして輸入販売できたら、と考えています。
(勉強のため、と言いつつ自分が飲みたいだけ、と言う話もありますが。。。笑)

Hammのワインととタケヴァインのワインの飲み比べ試飲会、、、なんてものが実現出来たら感動してしまいそうです。。



長々と書いてしまいましたが、これが私の立ち上げたいワイナリー像になります。
どういった形で実現できていくのか、まだまだ想像もつきませんが今後も経過をアップしていくので見守ってもらえたら嬉しいです。


「みなさんと楽しく一緒にタケヴァインのワインを飲める日まであと5年」